羅臼川(下流部)のエゾシカ

 夕方、羅臼の町外れのライダーハウスを予約した。それから街中の
市場へ夕食の買出しに出かける。タラバガニやハナサキガニ、ケガニ
などが並んでいるショウケースの前に立って、よだれをたらしていると、
「お客さんどちらにお泊ですか?」
ときた。
「近くのライダーハウス!」
つりの格好そのままに、ライダーハウスと言えば、よほど貧乏旅行者と
思われたのだろう。事実そうではあるのだが・・・
「お客さん、これ3,000円だけど特別1,000円にまけとくよ」
と囁かれた相棒は、待ってましたとばかりに、夏目漱石を一枚取り出した。
大物タラバガニは3人の胃袋を十分に満たしてくれたことはいうまでも無い。
「北海道に来た甲斐があったね」誰ともなく呟いた。 
 翌朝。
もしかしたら、羅臼川の下流部なら、ヤマメが釣れるかも知れない。
そう思って竿を出したけれど、オショロコマばかりだった。
 対岸の河川敷をゆっくり歩いているエゾシカと目が合ってしまった。
竿を放り投げて、カメラでしばらく一緒に歩いた。


  
羅臼川下流部の河川敷公園            対岸に突然現れたエゾシカの親子

  
ゆっくりと上流へ向かうのをカメラで追跡     羅臼川もヤマメの姿は無い。最下流からオショロコマ