羅臼から相泊=1
     想像からは、かけ離れた実態


 昨年10月羅臼の民宿に泊まった時、同宿の夫婦が言っていた。
「知床は、北海道で一番自然が残っていて大好きです。
それで毎年ここにお世話になっています。」
 道路が行き止まりの相泊から先には、
確かに原生の自然が残っているのだろう。
しかし、小さな渓流の河口付近は、建設廃材、生活の廃棄物、
はたまた観光客の投げ捨てる残飯や,ゴミの残骸が散らばっている。
相泊川では人家のすぐ脇に,残飯をあさりに来るらしい、ヒグマの足跡があった。
昼間はまさか出没しないだろうと、少し釣り上ったけれど、すぐ引き返した。
 知床の渓流は、ほとんど河口から100mも行かないうちに、
砂防堰堤が構築されている。いまはイワナの一種オショロコマの天国だが,
かっては,サクラマスやサケがふんだんに遡上し、産卵していたに違いない。
 その豊かな川を無残にも,不必要な砂防堰堤が殺してきたのだ。
なぜだ!本当に怒りを覚える。
砂防堰堤の必要性が明確に証明できないにもかかわらず、
また、もっと安価に災害対策が出来るはずなのに、
依然として砂防堰堤を造り続けているのだ。
 知床には自然があって,自然がない。正直な感想だった。

筆者の相棒2人。羅臼岳をバックに
ウトロから知床横断道路を通って羅臼へ・峠の駐車場で。

 
相泊川 ヒグマの足跡が・・・         砂防堰堤が見えない川へ入る・・・カーブを曲がると堰堤が出現  
どんな小さな渓流へ入ってもオショロコマの入れ食いだった。  


羅臼=ラ・ウ:この地方のアイヌ語は,葛をラと言った。つまり,葛の多いところの意味だ。rausu
相泊=アイ・トマリ:北風を避けて避難する舟入港。aitomari


ウエブアート  羅臼から相泊=2