小様川のお花畑
2000年の春は少し遅れてやってきた。
季節の移ろいの気まぐれが、この偶然を生んだ。
四月後半の釣り旅で、この川には必ず挨拶していた。
しかしいつもの年なら花は終わっていただろう。
細い林道を、トラックを避けるためにわき道に入った。
ついでに小用を足そうと、斜面を登った。
ややまばらな、雑木林の林床に、はっと息をのんだ。
なんと美しい、スプリングエッフェメラル。
春のはかない命たちの饗宴。
狭すぎもせず、広すぎもしない適度な花の絨毯
かって、これほどの素晴らしい林床に出会ったことがあっただろうか
光と影の織り成す、小宇宙を一日中撮り続けたかった。