里山造成と管理の基地
 
 人々の生活と密接にかかわっていたいわゆる里山は、昭和30年代
エネルギーが化石燃料に取って代わられると、その殆どが放棄され、
省みられなくなってしまいました。つまり、家庭の燃料や、田畑の肥料としての
森の機能に頼らない、便利な生活を謳歌してきたのです。
 森(山)にとって、より自然な状態への遷移と言えるでしょう。しかし,
日本の文化は、稲作の移入以来、里山に支えられ、発展してきたのです。
現代のように、激しい消費生活を続けるなら、地球温暖化や環境ホルモンの
増加など、さまざまな要因によって,地球そのものが持たないのではないか?
と指摘されています。
 人類がより先まで生き長らえる方策は、エネルギー消費が自己完結的に循環する
里山の文化を見直すところに,解決の糸口があるのではないか?
つまりエネルギーの消費レベルを昭和30年代以前まで戻す必要があるのです。

 私たちは放棄された里山の一つ、佐渡弥彦米山国定公園内の一画、
角田山北西斜面の里山造成事業に取り掛かりました。
 炭焼き、薪作り,キノコ栽培、チッパー導入による堆肥作り等々、
地域循環社会構築の模索をします。
 そしてもう一つの大きな目的、それは国定公園内と言う特殊な条件を
クリアーするために,景観の再生を目指します。それは立ち枯れの松の整理、
かってここの林床を彩っていたカタクリ、フクジュソウ、雪割り草などを積極的に植栽し
観光的側面でも、地域社会に貢献したい。植樹は出来るだけ実のなる樹木を多用し、
将来地域の子供たちが,里山で嬉々として飛びまわれるような環境作りをも視野にいれます。
 
 その里山作りの第一歩、資材置き場兼現地事務所が、ようやく完成いたしました。
(セブンイレブンみどりの基金助成)2003年7月26日
 事業は、10年20年先まで視野に入れます。やがて近い将来、地域住民の意識がたかまり、
私たちの事業を完全に引き継いでくれることが、最終目的になります。

 
大型ユニック2台で運搬。上下の繋ぎ目を補修して完成。約2時間。
国定公園内のため景観にも配慮したロフトハウスを選定。